卒業証書の名前入れシーズンに毎年思うこと│初めて見る名字、読めない漢字、そして「異体字」 | 筆耕グループ

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卒業証書の名前入れシーズンに毎年思うこと│初めて見る名字、読めない漢字、そして「異体字」

1月は筆耕の仕事の中でも、とくに忙しくなる「卒業証書の名前入れシーズン」です。

毎日たくさんのお名前を書いていると、普段の生活ではまず出会わない名字や、初めて書く漢字に次々と出会います。

今回は、その筆耕の現場を少しだけご紹介します。

卒業証書

「こんな名字あるんだ!」が次々起きる

名前入れをしていると、思わず手が止まる名字があります。

見たことがない名字、初見の漢字、読みが想像できない表記。

書き慣れていない漢字は「こんな感じかな」で書かず、必ず字書で確認してから進めます。

いただく名簿はほとんどが活字のデータなので、そのまま書いてしまうと、本来の手書き文字と形が異なる場合があります。

実は一番ひやっとするのが「名字の異体字」

名字には、文字の意味や読みが同じでも形だけが違う「異体字」が使われることがあります。

有名なのは、斎藤さんの「斎」や、渡邊さんの「邊」など。

ただ、卒業証書の名前入れをしていると、それ以外にもいろいろな異体字に出会います。

たとえば、こんな表記です。

  • 桒(桑) 桒原さん、桒田さん
  • 枩(松) 枩田さん、枩本さん
  • 嵜(﨑) 山嵜さん、宮嵜さん など
異体字「桒」「枩」「嵜」

上記のような異体字ですと、形が明らかに違うので間違える心配は少ないですが、気を付けなければいけないのが、前述の「斎」や「邊」など、形が似ている異体字がいくつかある場合です。

名簿をよく見て書かなければいけません。

字書に載っていない字に出会ったらどうする?

異体字は、字形を確認するだけで終わりではありません。

書く頻度が少ない(もしくは初めて書く)分、字書を見ながらバランスをしっかり確認します。

まれに、字書に載っていない字に出会うこともあります。

そういうときは、似ている字や共通のパーツなどを参考にしながら字を組み立てます。

筆耕の際よく使う字書
筆耕の際よく使う字書

日本の名字は世界的に見ても種類が多い

日本の名字の種類は「10万以上」と紹介されることがあり、世界的に見ても多い部類だと言われます。

(参考:Wikipedia「名字」

ちなみに、中国は4,700種余り、韓国は286種類の姓があるそうです。

(参考:WEB国語教室「第2回 漢字圏の名字事情(1)」

(参考:WEB国語教室「第3回 漢字圏の名字事情(2)」

もちろん国によって「数え方(読みや表記差を別扱いするか等)」が異なるので、単純比較には注意が必要です。

それでも、名前入れの現場で日々感じるのは、日本の名字の多様さです。

まとめ

1月は卒業証書の名前入れが本格化し、普段は出会わない名字に触れる機会が増えます。

文字を書く楽しさを感じながら、一枚ずつ丁寧に筆耕作業を進めていきます。

この記事の著者

上田 健太

「筆耕グループ」代表。筆耕士として、賞状、感謝状、表彰状の制作、宛名書きや卒業証書の名入れなど、幅広く手がける。実用書道の専門家として、美しく整った文字、受け取った人の心に残る文字を日々探究中。静岡県浜松市内で書道教室も運営中。保有資格:準一級賞状技法士、硬筆書写技能検定一級(文部科学大臣賞)、毛筆書写技能検定一級(日本書写技能検定協会理事長賞)

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