超!長文の賞状の制作工程
普段、筆耕のご依頼として多くお受けする賞状は、本文の文字数がおおよそ100~150字程度です。
学校関係、各種団体、企業表彰など、一般的な賞状であれば、このくらいの分量が最も多いです。
しかし年に数回、「これはなかなかのボリュームだな…!」と思うような、長文の賞状制作のご依頼をいただくことがあります。
これまでに手がけた中で、最も文字数が多かった賞状は540文字。
400字詰め原稿用紙1枚を優に超える分量です。
今回は、その経験も踏まえつつ、約420文字の長文賞状を例に、筆耕の現場でどのような工夫をしながら完成させていくのか、その制作工程をご紹介します。
長文賞状でも流れはいつもと同じ
長文の賞状と聞くと、特別な書き方や工程があるように思われるかもしれませんが、基本的な流れは普段と変わりません。
レイアウト → 下書き → 清書
この3つの工程を、いつも通り進めていきます。
1. レイアウト
長文賞状において、まず頭を使うのが本文のレイアウトです。
今回の賞状では、本文1文字あたりの大きさが約7mm四方になります。普段の賞状よりもかなり小さな文字サイズです。
A3の賞状の場合、本文は1行あたり15文字前後でレイアウトすることが多いのですが、今回は文字数が多いため、1行あたり約26文字で構成しています。
全体の文字の大きさのバランスは、「表題>受者名>贈者名>本文>日付」とするところを、今回の長文賞状では、本文が最も小さくなるように調整しています。

2. 下書き
文字数が多くなると、下書きもそれなりに時間がかかります。
下書きは清書と同様、左側から書き始めます。
手も紙も汚さずに書き進めることができます。
特に本文は、誤字・脱字に注意しながら書いていきます。
ちなみに、今回の賞状では本文の改行を5回入れています。
通常の賞状では1回だけにすることが多いのですが、今回は文字数が多いため、読みやすさを考えた結果です。
下書きが終わったあとは、原稿と見比べながら、何度もチェックを行います。

3. 清書
いよいよ清書の工程です。
ここからは、かなり集中力が必要になります。
ふっと気が抜けると、思わぬミスをしてしまうものです。
本文の中には「謝」「職」「鑽」など、画数の多い漢字も登場します。
筆の先端を上手に使いながら、一文字一文字丁寧に書いていきます。

また、書いている間は、紙が浮かないよう左手で軽く押さえていますが、この左手にも注意が必要です。
乾く前の墨の上にうっかり手を置いてしまうと……結果は、想像していただいた通りです。
今回の賞状では、清書だけでおよそ1時間かかりました。
書き終えたあとはしっかり乾燥させ、最後にもう一度、誤字脱字がないかを確認して完成です。

今回は、長文の賞状が完成するまでの流れをご紹介しました。
こうした裏側も含めて、筆耕の仕事を知っていただけたら嬉しいです。
